要約
本書では、30代で仕事を辞め、経済的に独立した女性が主人公です。
貧しい家庭に生まれた彼女が、どのようにしてそこに至ったのか、
至るまでにぶつかった様々な問題について、彼女なりの回答を紹介しています。
経済的に自由な状態になり、仕事を早期退職すること ( =FIRE ) を目指す人にとっては、
一つの成功例や、FIREに関する悩みを学べる良書となっています。
(もちろん、早期退職はせずに、経済的自由のみを目指す場合でも役に立つ内容です)
本書レビュー
広範囲の年代で役に立つ
本書は、全18章で構成されています。その内容は、
彼女の幼少期からFIRE後の考えまで、時系列に沿って解説しています。
彼女の人生を、一冊の本で表現しているため、
広い範囲の読者が参考にできる部分があります。
例えば、第3章「(まだ)自らの情熱に従うな」では、学校選択の考え方について、
第15章「子どもはどうする?」では子育て費用の考え方について述べています。
学生から子育て世代まで、参考になる内容です。
一方で、自分と関わりのない部分は、面白さに欠けます。
既に社会人である人にとっては、前半部分 (学生時代) の話は関わりが薄く、
あまり興味がそそられません。
既に社会人の人が面白く感じるのは、第6章あたりからです。
随所に小ネタがあり、飽きない
本書は、堅苦しい文言では書かれていません。
彼女の人生物語を、人間味ある文章で書かれています。
例えば、次のような文章があります。面白い人ですね。
(投資の収入で生活費が賄えるなら)
上司から1日16時間働いて、二度と家族に会うなと言われたら?
あなたは、おそらく「消え失せろ!」と言えるでしょう。
仮に上司に解雇されても?
あなたは手厚い解雇手当をもらってそれを貯蓄に加え、
沈み行く夕日に向かって車を飛ばし、狂ったように高笑いすることができるのです。
これだ、これならやってみたい。
「FIRE 最強の早期リタイア術」より抜粋
長期インデックス投資の重要な考え方を学べる
本書では、長期インデックス投資を軸としたリタイア戦略が述べられています。
・資産配分とリバランスの考え方
・リタイア後の株価暴落時の対策
・長期インデックス投資の出口戦略 などなど
長期インデックス投資初心者が絶対に抑えるべき内容なので、参考になります。
ただし、本内容は他の書籍でも学べるため、重要視して購読する必要はないです。
FIRE の負の側面も述べている
「FIRE」は、仕事を早期にリタイアできる素晴らしい面がある一方、
負の側面があることも述べられています。
・お金が底をつく
・コミュニティの喪失
・アイデンティティの喪失
しかし、これらの懸念点は克服することができます。
本書では、これらに対する彼女の考えが述べていますので、
「FIRE」を目指したいのであれば、知っていて損はないかと思います。
結論
これまで、いくつかの特長を述べてきましたが、
経済的に自由な状態になり、仕事を早期退職すること ( =FIRE ) を目指す人にとっては、
一つの成功例や、FIREに関する悩みを学べる良書となっています。
私自身、FIREを目指していますが、
本書で、「FIRE」や「長期投資」についてより理解できたと実感しています。
FIREを目指しているが、まだ本書を読んでいない人は、
是非、一度読んでみることを、オススメします!
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